あのゴビ砂漠で運命的な出会いを果たした犬が迷子に…ランナー必死の捜索活動!

広大なゴビ砂漠の真っ只中を、約250キロメートル走るエクストリームマラソンレースで、1人のランナーに狙いを定め、共に過酷なマラソンを走りぬいた犬のゴビの話は人々に感動を与えた。
運命の出会いを果たした両者は、その後ランナーのディオン・レオナルド(Dion Leonard)さんが、自国スコットランドにゴビを連れていくと流れとなりハッピーエンドを迎えた。はずだった。(関連記事)
ところが先週、ゴビは行方不明になってしまったのだ。
いてもたってもいられなくなったレオナルドさんは再び中国に入国した。必死の捜索活動を展開し、ついに!ゴビが発見されたのだ。
ゴビがパートナーとして選んだのはレオナルドさんだった
スコットランド出身のエクストリームマラソンランナーであるディオン・レオナルド(Dion Leonard)さんは、先月「4大砂漠ゴビマーチ(4 Deserts Gobi March)」というアジア最大の砂漠を自らの足で6日間かけて走破する大会に出場していた。このときスタート地点のそばで暮らしていた野良犬のゴビ。どうやらレース参加を決めたようで、最初の35キロメートル区間を走り抜いたのだ。
翌日も出走したゴビだが、このときパートナーとして選んだのがレオナルドさんだ。彼と一緒に2日目も完走。こうして2人の間に絆が芽生えることになった。

まったく驚いたことに、ゴビは苛酷なレースの最後の最後までレオナルドさんのそばを離れなかった。レース終了後、レオナルドさんがなにがなんでもこの子をスコットランドに連れて帰ろうと思ったのも当然だったろう。
「ゴビは僕をパートナーに選んだんだ」と当時のレオナルドさんは話してくれた。

ゴビが行方不明に!
中国からイギリスに犬を持ち込む法的な許可を得るのはそう簡単ではない。そこでレオナルドさんは信頼の置ける友人にゴビを預けてひとまず帰国。数ヶ月にわたる手続きを開始した。しかし、先週とんでもない事件が起こる。なんとゴビがいなくなったというのだ。
居ても立ってもいられず、レオナルドさんは自分で彼女を探そうと数日のうちに中国、新疆ウイグル自治区ウルムチ市に舞い戻った。

image credit:facebook
ゴビが最後に目撃された場所の付近で、迷子のチラシを貼りながら懸命の捜索を続けるレオナルドさん。だが、このあたりでは野良犬が珍しくなく、干し草の中で針を探すようなものだった。それでも希望だけは捨てないレオナルドさん。5日間探し回ったがゴビを見つけることはできなかった。

ゴビ、ついに発見!
レオナルドさんがゴビを探しているという話はフェイスブックを通して広がりを見せ、世界中の人々がその動向を見守っていた。
そしてついに奇跡が起こる。8月24日水曜日、ゴビが見つかったのだ。チラシを見た地元の住人が連絡をくれたおかげで、両者は無事再会を果たすことができた。
運命の絆はやはり切れてはいなかったようだ。
「ここにきて、ドアを開けたらゴビが走り寄ってきてね、僕の周りをぐるぐる回って飛びついてきたのさ。一目見てまた恋に落ちちゃったね」とレオナルドさん。

「今夜は2つのことをやらないつもりだよ。泣かないことと汚い言葉を使わないこと。本当に興奮してるからね。人生で最良の日って言ってもいいんじゃないかな」
もちろんゴビだってハッピーだ。愛するご主人さまの腕にようやく抱かれることができるのだから。

ゴビがスコットランドに行ってレオナルドさんとずっと一緒に暮らせるようになるまでには、もう少し時間がかかる模様。だが、今回レオナルドさんはゴビを置いていかないことにしたそうだ。
「同じことがおきたら正直身が持たないからね
準備が整うまでここに残ることにしたよ」